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京都の、とある小さな牛乳屋に生まれ、長い独身時代を経て結婚。幸せをかみしめながら、出逢った人みんなに感謝の心を届けられますように。


by milkshop-KT3

メッセージ

先日、あくせくと宅配料金の請求書発行の作業をしていたら
お昼頃 妹が遊びに来ました。
「忙しそうやなぁ、みっちゃん。手伝おうか」
と言ってくれたので、ありがたく手伝ってもらうことに。
作業を説明して、一通りやってもらうと
もう要領を得たのか 後は1人でテキパキとやってくれました。
おかげで今月はずいぶんと楽に請求書出しが終わりました。あー、嬉しい。
ありがとうね、妹よ。

「2人でどっかお昼行ってきたら?」と、母の声。
思いのほか、スムーズに仕事がはかどり、お腹もすいたので
「いいねぇ~」
ってことで
作業の途中、いったん切り上げて2人でランチに出かけることにしました。
出かけた先は、すぐ近所の喫茶店…の、2階にあるレストラン。
2人で日替わりランチを注文。

お料理が出てくるまでの間
「私、最近 事あるごとに 感謝の気持ちになるねん」
と 話し出した妹。

なになに?どうしたん?

妹は
この前 偶然ひろったタクシーの運転手さんの話を始めました。
タクシーの運転手さんの中には
ポケットティッシュとか、キャンディーやガムを「粗品」として名刺と一緒にお客さんに渡す人があります。
この運転手さんも妹に「粗品」を渡されたそうなのですが
その「粗品」とは、シールでした。
雑貨屋さんや文房具屋さんなどによくある、可愛い絵のついたシールです。
子供なら大喜びですが
妹は…いくら童顔とはいえ、一応は大人の女性。
貰ったシールを手に「???」。
話を聞くと
この運転手さんは、そういったシールを集めては
何種類かを少しずつ1つの袋に詰めて、お客さんに渡してらっしゃるのだとか。
まぁ、ここまでは ありそうな話です。
通常、「粗品」を配るのって、指名をもらうためだったりしますが
この運転手さんは指名客を取らないのだそうで。

じゃ、なんで「粗品」を配るの?です。

なんとこの運転手さん、その問いに笑顔でこうおっしゃったそうです。
「おっちゃんなぁ、週に3日くらいしかタクシーの仕事してへんねん。それでええねん。
そやけど人って なんかちょっとしたもんでも、貰って悪い気ぃしいひんやろ?
そんなんで このタクシー会社はええ会社やなぁ、ってちょっとでもお客さんに思ってもらえたら嬉しいし
会社のイメージがよくなったら、他の若いモンに指名が来るかもしれんやんか?
そしたら若いモンも頑張れる。
そうやってなぁ、全体の活気につながるかも知れんって思って、1人でこんなことしてんねん」

「シールみたいなもん 貰っても使わへん人もいるやろうけどな、
本人がいらんでも、その人の子供さんやお孫さんにあげたら喜ぶかもしれんやろ?
シールもろて、子たちが笑顔になる…そしたらシールあげた人も笑顔や。
シールを袋に詰めながら そんなこと考えたら、おっちゃんも笑顔やんかぁ」


「そんな話をしてくれはってん」
話を終えた妹を見ると、目が真っ赤。
そう、妹は極度の感動屋で泣き虫なのです。
「あんた また泣いて」
言いながら、つられて私まで胸がいっぱいになりました。

「いやぁ…なんと ええ人がいるもんやなぁ」
「そやねん。この運転手さん、自分のこと全然思わんと 周りの人の笑顔を思ってはんねん」

「事あるごとに、感謝やなぁって思うねん。
こんな風に、ええ人と出逢えたり、ええ話が聞けたりするのも
何かが私に大事なことを伝えてくれてるって気がするねん。
そういう、メッセージみたいなもんを、最近 すごい感じるねん。
だから、ありがたいなぁって。」

「自分は生かされてるなぁ、与えてもろてるなぁって思う。
だから、感謝を返したいけど、返しようがないやんなぁ」と、妹。
「そやなぁ。だから、感謝を返すつもりで、自分の周りの人に善くしていくのがええのやろなぁ」
「そういうことなんやなぁ」

妹の話を聞いたからか
運ばれてきたお料理も、食後のコーヒーも
なんだかとても穏やかな気持ちでいただくことが出来ました。
そうして
妹を通して 私もこの素敵な「メッセージ」を受けられたことに感謝しました。




どこまで 人に伝えられるか分かりません。
自分がどんなに「いいな」と思う話も
100人の人が聞いて100人とも「いいな」と感じるとは限りません。

でも
今まで以上に思うようになりました。


素直に「いいな、ありがたいな」と感じたことは
出来るだけたくさんの人と共有していきたいなぁと。





♪みちこ
by milkshop-KT3 | 2009-07-31 02:25 | 日記