人気ブログランキング | 話題のタグを見る

京都の、とある小さな牛乳屋に生まれ、長い独身時代を経て結婚。幸せをかみしめながら、出逢った人みんなに感謝の心を届けられますように。


by milkshop-KT3

おばあちゃん

記事にするのは まだ
なんというか
整理できてなくて ごちゃごちゃしています。
でも、そういうのも全部わかった上で
書こう。

1月30日 月曜日
おばあちゃんが亡くなりました。

その日のお昼に、両親と会いに行きました。
のどが渇いてお茶を欲しがるおばあちゃん。
看護婦さんに掛け合って緑茶を入れてもらった小さなアトマイザーで
口元にシュッ、シュッ てすること数回。
「もっと、もっと」と言わんばかりに口を開けるおばあちゃんと
「あんまりたくさん飲んだら咳が出るから、ちょーっとずつね」
といったやり取りが続き
何度か繰り返して、納得したのか おばあちゃん
間もなくして眠り出しました。
起こさないように、そーっと そーっと
病室を出て家に帰りました。

年末から、体調を崩して入院していた祖母でした。
食べることも飲むことも出来ずに
点滴だけで命をつなぐ日々でした。

夜、夕食を済ませてテレビを見ていたら
病院から電話。
「さきほど、呼吸が止まられました」と。

そこから先は、もう 何がなんだか
自分がどうしてその場にいるのか
目の前に起こっているのは現実の出来事なのか
よくわからないまま あっという間に時間が過ぎていった気がします。
見えているけど、見ていない
聞こえているけど、聞いていない
動作のどれもが、まるで機械みたいに
中身がどこかへいってしまったような自分でした。

悲しみを受け止めきれない甥っ子は
ただただ泣きじゃくっていました。

そんな調子で1月31日が終わり
2月1日
集まった親戚一同に見守られながら
おばあちゃんは、空高く旅立っていきました。

「95年間、よう きばってくれました」
涙をこらえながら言った父。
みんな一人一人に
おばあちゃんとの思い出が残ってる。

そうして
寂しいけれど、また 日常です。
いつもどおりに流れていきます。
そうやって、この乾いた悲しみも小さくなっていくのでしょう。
今振り返っても、なんだか遠い日のことのよう。

ありがとうね、おばあちゃん。
小さい頃、髪を切ってくれました。
セーターを たくさん編んでくれました。
出かけるたびに お人形やオモチャを買ってくれました。
眠れない夜は 布団に一緒に入らせてくれました。
中学に入ると 毎日お弁当を作ってくれました。
お笑い番組を見ては大きな声で笑って
笑い声が2階まで聞こえてきました。
暑い夏は 汗っかきの私の汗を拭いてくれました。
寒い冬は かじかんだ手を両手で包んでゴシゴシ暖めてくれました。
あの手の なんとあったかかったこと。
風邪をひいたときは りんごをすって飲ませてくれました。
あのりんごの なんと美味しかったこと。

たくさん たくさん かわいがってもらいました。
たくさん たくさん 与えてくれました。 

ばいばい、おばあちゃん。
なんにも孝行しなかったね。ごめんね。

向こうでは もう 足も痛くないよね。
行きたいところ どこへでも行けるんやね。



♪みちこ
by milkshop-KT3 | 2012-02-06 12:10 | 日記